沖縄の冬の果物といえばタンカン。野菜の名前に関しては、「シブイ」とか「ハンダマ」とか「ウンチェーバー」のように沖縄固有の呼び方をするものが多いけれど、フルーツに関しては本土と同じ名前で呼ぶものがほとんどですね。沖縄ではやんばるで多く作られています。
タンカンはネーブルオレンジとぽんかんの自然交配で、ふくよかな香りとジューシーな果肉のさわやかな柑橘。皮が薄いから手でむくのはけっこうむずかしいです。そう言われると、ネーブルはタンカン以上に皮が薄くて手でむくのはかなりむずかしい。
オレンジのようにナイフで皮をむいてもいいし、でも頑張って手で皮をむいて食べるのも達成感があっていいかも。房の周りの皮は薄いから房ごとそのまま食べてもあまり気になりません。むき出しのまま外に放置しておくと、数日で皮がしなしなになってくるので、袋に入れて冷蔵保存します。
タンカンは甘いけれど酸味もほどほどにあって、何と言っても香りがゆたか。こたつにみかん、というより、ちょっと肌寒いけれどでも今日は半袖だ!、みたいな陽気の中で食べるのがタンカンっぽいような、そんな南国沖縄のフルーツです。
桜の花があちこちで咲き始めると、そろそろタンカンの季節も終わりに近づきます。公園のさくらが満開になって、お店でタンカンの鮮やかな色を目にすることも少なくなってきましたが、あの香りがどこか鼻先に残っています。