サクナ/長命草/チョーミーグサ。派手さはないけれど、年間を通じて野菜売り場のどこかに置かれているセリ科のヌチグスイ(命薬)。
学名はボタンボウフウ。もともとは風当たりが強い海沿いの岩場で海水を浴びながら自生している生命力の旺盛な植物です。与那国の長命草が有名ですが、沖縄本島でも畑で栽培されています。
海辺の過酷な環境ではなく、穏やかな環境の畑で栽培されているサクナは、葉っぱも大きく肉厚です。そのまま口に入れてみるとモサモサして食べにくいけれど、ほろ苦さと一緒にセリ科の仲間らしい、さわやかで特徴のある香りが口いっぱいに広がります。
このまま刺身のつまに添えたり、サラダの飾りに数枚をあしらえば見栄えもなかなかですが、「一株食べたら一日長生きする」と言われる通りに、これを一株食べるのはかなり大変そう。
ヌチグスイとしての効能はたいしたものらしくて、ビタミン・ミネラル・ポリフェノールなどを豊富に含み、抗酸化作用や血管の拡張作用があるため、動脈硬化・高血圧・神経痛・喘息・むくみの改善など様々な効果効能があると言われています。
食べ方としては、生のままつまとして、大きな葉っぱのまま天ぷらに、細かく切って軽くゆでて白和えにしたり、刻んだものを混ぜたスコーンなどの焼き菓子、スムージーなど。
神聖な食べ物として受け継がれてきたサクナ/長命草ですが、畑で栽培されたものではなく、沖縄の海水と風を受けながら育った野生のサクナをぜひとも食べてみたいものです。