しまカボチャ

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玉城の海沿いにある共同市場「花野果村」には、じゃが芋とか人参とか、ゴーヤーや冬瓜などおなじみの野菜の他に、内地では見たことがないような野菜もよく並んでいました。

ある時、冬瓜のように大きなカボチャらしき野菜を見かけ、思わず「これって何ですか??」と聞いたこともありました。一口でカボチャと言っても、ひょうたんのような形のものとか、ちっちゃな飾りカボチャのようなものとか、いろんな種類があるのは知っています。でもその時見たカボチャらしき野菜は大きなラグビーボールみたいで、自分の知っているカボチャの範疇をしっかりオーバーしていたので。

そしてお店の人から返ってきた答えは、当然のごとく「…しまカボチャさぁ〜」ということでした。やっぱりカボチャでした。そのしまカボチャの横には風貌の異なるカボチャがずらりと並んでいましたが、ここはとりあえず最初のでっかいしまカボチャを買ってみることに。

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モウイとしまカボチャ

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沖縄でももちろん普通の容姿をした自称「栗カボチャ」が普通に売られていて、内地ではカボチャが手に入りにくい時期に、宮古産のカボチャを目にすることもあります。ただこれまで食べた沖縄産の栗カボチャはどちらかというと大味で、あんまり栗カボチャっぽくないというか、やっぱりカボチャは涼しいところの方がおいしいなーなんて思っていたわけです。

だから、このしまカボチャにもほとんど期待をしていませんでした。実際のそのお味は?やっぱりホクホク感はまったくありません。味もあるようなないような、栗カボチャの系統のほくほくカボチャとは全然違います。どちらかといえば瓜系のカボチャですが、カボチャの仲間だといわれてもなかなか納得しづらいズッキーニほど瓜っぽいわけでもありません。

普通のカボチャのような煮物にしてもたぶん全然おいしくなさそう。そこで、柔らかくて切るのが簡単なので、薄切りにして炒め物にしてみりことに。思ったよりいけるかも。これまで知っているカボチャと思って食べたらがっくりするけれど、しまカボチャというカボチャっぽい野菜だと思えば、新しい境地が開けるはずです。このしまカボチャを食べれば、ズッキーニも、胡瓜も、みんなカボチャの仲間なんだなと納得できそう、そんなかんじ。

名前の頭に「しま」をつけて、沖縄という国のアイデンティティーを静かに語る野菜は数多くあります。人参、らっきょう、大根など。そしてそれらの島野菜は、たしかに沖縄独自の容貌や風味を備えています。カボチャもその例に違わず「しまカボチャ」。でっかい容姿とざっくりした味わいは、内地ではお目にかかることができない沖縄らしい島野菜でした。

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