アセロラ / 赤くて小さな沖縄果実

アセロラは南米原産で、きれいなかわいらしい赤い実をつけます。Barbados cherry(バルバドスチェリー)とも呼ばれているそう。その実はビタミンCが圧倒的に豊富で、さわやかな酸味とほどよい芳香があってつい手にしたくなります。

アセロラという名前は以外とよく知られているようですが、沖縄県外でフレッシュのアセロラを目にする機会はほとんどないのではないでしょうか。かくいう沖縄の那覇市内でも店頭に並ぶことはきわめて稀で、南部や北部の野菜直売所に行けばようやく手にすることができるくらいです。実が傷みやすく、まだ淡く赤色をした実でもすぐに熟してしまうこともあってあまり流通していません。

かと思えば、那覇の市街地でもそのあたりをぽちぽちと散歩していれば、道路沿いに植えられたアセロラからこぼれ落ちた赤い実が散らばっているのに出会うことも珍しくなく、近くて遠いような、レアなようで以外とポピュラーな果実なのです。

まあパパイヤやバンシルーはもちろん、バナナやカニステルやモリンガなど様々な樹々も市街地の道端に繁茂していて、それを実の生る農作物と呼ぶか、その辺に生えてる樹々と呼ぶかはかなり曖昧でもあります。

アセロラ
アセロラとローゼル

当パーラー店頭のテーブルにアセロラをさりげなくディスプレイしておくと、通りかかる多くの方々はアセロラを見たことがないようで、みんな珍しげに手にとって見ています。その姿形と、いかにもフルーツっぽい鮮やかな赤い色が目をひきつけるのでしょう。味見してみますか?と声をかけるとみんなうれしそう。

けなげで小さな実の中には、さらに小さくて白い種が数粒入っています。食べようと頑張れば食べることができるくらいの柔らかな種ですが、この種のおかげでイチゴやブルーベリーのようにむしゃむしゃ食べるのも難しいので、アセロラといえばどうしてもジュースやピュレになってしまいます。

沖縄にはベリー系のフルーツがないので、アセロラにベリーの雰囲気を感じて嬉しくなりますが、種を思うとちょっとくじけてしまうのです。(沖縄でもイチゴを作っていますが全く一般的ではないし、桑の実=マルベリーもその辺に一杯生っているはずなのにほとんど出回りません)

そんな次第で、郊外の直売所に買い物に行って見かけると必ず買い物かごに入れてしまう、赤くてかわいい魅力的なアセロラです。

アセロラ
アセロラとアフリカほうれん草

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