近くの八百屋さんを覗いたら、この沖縄でも初めて見る野菜を発見しました。
でもどこか見覚えがある。ひょっとしてアジア料理の本で見たことのかもしれないと思って、帰ってから調べてみたらやっぱりあった、「トカドヘチマ」。インドや、タイ、ベトナムあたりでよく食べられているヘチマの一種です。珍し物好きなのでもちろんためらうことなく買ってきました。
「とかどへちま(十角糸瓜)」 東南アジアが原産の「へちま」の近縁。(植物図鑑) チャイニーズオクラ(英語)/ムォップ・キーア(ベトナム語)/ジンゲ(バングラディッシュ語)/ブワップリアム(タイ語) |
(普通のヘチマと並べてみた)
「チャイニーズオクラ」=「Chinese lady’s fingers」?
チャイニーズオクラときましたか。たしかオクラって、英語だと”lady’s fingers”=「淑女の(か細い)指」とも呼んでいますよね。あのかわいらしいオクラを「淑女の指」に例えるのはまだわかるとして、このトカドヘチマを「中国淑女の指」と呼ぶには、いくらなんでもかなりのためらいがある風貌だと思うんですが。淑女ってどんな淑女よ?みたいな。
まあ英語のChinese Okraの呼び方はともかく、縦の筋が10で十角あるからトカドヘチマだそうです。見たところは皮が硬くてトカドというよりトカゲみたいですね。どことなくサボテンみたいな風貌でもあります。おまけによくよく見たら、中には九角や八角なんていうのもありますが、トカドヘチマの名前は、英語のChinese Okraと違ってその体をよく表していると思います。
このトカドヘチマは沖縄でもわずかに作られているようで、今日買ったものも売るために作ったというより、農家さんが試しに作ってみたというかんじでした。まだ島野菜になりきれてはいないとはいえ、沖縄でよく食べられているおなじみの島野菜ナーベラーの仲間です。でも地元の人にも馴染みがない上、普通のナーベラーとはだいぶ異なるその外観のせいか売れ足も悪そう。
トカドヘチマを料理してみる
さて,その外観に一抹の不安を抱きながらおそるおそる料理してみたトカドヘチマはというと??
これが思ったよりも全然おいしかったのであります。普通のヘチマより実がしっかりしているけれど柔らかい。味的にはまるっきりナーベラーだけれど、もう少し実がしまっていて、でもやっぱりジューシーでフワンフワン。ただ例の10もある筋は固いのでピーラーで削り取らないといけません。
今回は皮もしっかり剥きましたが、調べてみると筋のみを削ぎ取って残りの皮はそのままで、といった情報もありました。細めで柔らかめのトカドヘチマだったら「皮つき筋削ぎ」でもいいのかもしれませんが、今回手にしたトカドヘチマはかなり出来上がっていて皮もガリガリというかんじだったので、たぶん「皮むき筋削ぎ」で正解だったと思います。
なんにせよ、このトカドヘチマは沖縄定番の島野菜に昇格してほしい、個人的におすすめの立派な島野菜です。
ナーベラーのレシピ
▷ トカドヘチマとエビの卵炒め
▷ ナーベラーのココナッツンブシー