沖縄県産の物には頭に”しま”とつけるのが、ここ沖縄でのルールです。例えば、島豆腐、島らっきょう、島唐辛子、島カボチャ、島人参、島野菜、そして島バナナなど…
このルールからすると、沖縄で採れたバナナが島バナナということになりますが、この辺はちょっとあいまいです。そもそも一口にバナナと言っても世界にはいろんな種類のバナナがあり、ドールとかチキータなどのブランドで売られている大振りで黄色い普通のバナナや、モンキーバナナとか台湾バナナなどが一般的です。しかしこういったバナナ以外にも、小振りのから大きいの、丸っこかったり角張っていたり、酸っぱかったり甘かったり、調理して食べるバナナや紫色をしたバナナなどなど実に様々な種類があります。
沖縄でもいろいろなバナナが作られていて、いわゆる普通のバナナのような三尺バナナや、最近よく見かけるぷりっとしたブラジル種、アイスクリームバナナとネーミングされ完熟を待って食べる調理系のバナナ、そしていわゆる「島バナナ」と呼ばれている小笠原から持ち込まれた小ぶりで酸味のあるバナナなど枚挙にいとまがありません。沖縄で作られているバナナという意味での島バナナというカテゴリの中に、さらに「島バナナ」という小笠原由来のブランド的バナナがあるということのようです。
琉球もちっ娘(もちっこ)バナナは沖縄南城市の大里にある「畑風(はるかじ)」さんで作られている、県産という意味での島バナナです。やや小ぶりでぷっくらしていて皮が薄く、酸味はほどほどでもちもちした食感と独特の芳香があります。
東南アジアからもたらされた(らしい)ニューウェーブ的なバナナですが、一般的なフィリピンバナナとは味も香りもまったく異なり、昔食べた沖縄のバナナに似ていると言われることもあるそうです。昔食べたバナナに似ているなら、ニューウェーブというより由緒正しき古参の島バナナかもしれません。
琉球もちっ娘(もちっこ)バナナはそのまま食べてもおいしいけれど、バナナジュースやバナナアイスクリームにすると、その香りやミルキーさが際立ってこれまたおいしいです。砂糖やクリームが入っているんじゃないかと思うほど。→琉球もちっ娘(もちっこ)バナナジュース
先日見学に行った「畑風(はるかじ)」さんの琉球もちっ娘(もちっこ)バナナ畑はまるでジャングルのようで、その樹高は7-8メートルもあり、遥か上の方でバナナがたわわに実っていました。しかし先月末に久しぶりに襲来した台風に見舞われ、あのバナナ畑は壊滅してしまったそうです。樹高が高い分強風の影響を受けやすかったのでしょうか。とても残念ですが、半年後には新たにバナナが実るだろうとのこと。今から楽しみにしています。