熱風アジアのココナッツプリン:レシピ

ココナッツプリン

甘い誘惑
とろける香り
熱風アジアのココナッツプリン

ココナッツプリンというと、ココナッツミルクの白い色したプリンを思い浮かべる方がほとんどでしょう。しかし今回ご紹介するのは、一見普通のカスタードプリン、でも一口食べてみると濃密なココナッツの風味と苦めのカラメルが香ばしい、まったりめちゃうま、驚きのココナッツプリンです。

ココナッツミルクとは?

そもそもココナッツミルクってなんでしょう?

南の島の青い空の中に見上げるほど高く育った椰子の木を、現地の人が臆することなくするするとてっぺんまで登っていき、目もくらむような高さに成っている椰子の実を難なく採り、その中のジュースをゴクゴクおいしそうに飲んでいる ー こんな映像をどこかで見たことがある人も多いはず。

でもココナッツミルクというのは、あのゴクコグ飲んでいるココナッツジュースではありません。またもちろん動物性の乳製品でもなく、ココナッツの種の中の白い胚乳を削って絞ったミルク状の白い液体です。実物の椰子の実を手に取る機会がないとどうも実感がわかないけれど、下のイラストの白い部分が胚乳で、固い殻につつまれています。

ヤシの実

日本で手に入るココナッツミルクというと、タイ、インドネシア、フィリピン、マレーシア、スリランカなどで作られた缶詰または紙パックのもので、メーカーや種類もいろいろあります。濃度(油脂分)の違い、絞り方やその製法の違いで風味も異なり、どのココナッツミルク製品を使うかによってココナッツプリンの仕上がりは違ってきます。

一般的な缶詰のココナッツミルクを開けてみると、上の部分に油脂分が固まり、その下の透明に近い水分の部分が分離しています。上の油脂は冬場にはバターのように固くなり、夏場にはクリーム状に溶けています。自然なままのココナッツミルクは油脂と水分が混ざっているので、どうしても油と水が分離してしまうのです。

ココナッツミルクの中でもこの油脂分の濃いのがココナッツクリーム。ちなみにココナッツオイル(=ココナッツバター)はココナッツクリームを煮詰め、上に浮いてきた透明な油を漉したもの。牛乳と同じように、ミルク→クリーム→バターの順に油脂分が濃くなると考えればわかりやすいと思います。

ココナッツミルク
(左は無添加のCHAOKOH チャオコー ココナッツミルク、右は乳化剤の入ったダブルエー ココナッツクリーム

こういった油脂分と水分の分離をさけるために乳化剤を添加したタイプのココナッツ製品もあります。またもともとのココナッツミルクは若干灰色がかっているので、漂白剤を添加したなんていう製品もあります。

もちろん添加物なしの方が安心なことは言うまでもないのですが、乳化剤を加えていないココナッツミルクで冷たいデザートを作ると、その過程で、分離した油分が表面に浮いて固まり舌触りが悪くなることもあります。

例えばココナッツミルクの代名詞的ブランド、CHAOKOH チャオコー ココナッツミルクのココナッツミルクには漂白剤や乳化剤など添加物が入っていないので、これを使ってプリンを作るとなめらかプリンになりません。

しかし反対に、タイカレーを作る時にはココナッツミルクの固まった油脂分でペーストを炒めながら、表面に油が浮いた状態に仕上げるので、このチャオコーのようなココナッツミルクを使うと上手にできます。味的にもココナッツクリームほど濃厚ではなく、ほどほどのコクと濃さに調整できるココナッツミルクタイプがお手軽です。

ココナッツプリンを分離しないように作るには?

ゼラチンで固めるタイプのデザートであれば、型に入れて固める前のボールに入れた液体を、常に混ぜながら氷に当てて冷やし、ゼラチンがとろりと固まりだしたタイミングでカップに入れることで分離する間もなく固めることができ、滑らかなデザートができると思います。

しかしカスタードタイプのココナッツプリンを作る時は、滑らかでとろりとしたプリンを作るためには低めの温度で時間をかけて静かに加熱する必要があります。だからどうしてもこの過程で表面に油脂分が浮いてきて、冷ますとバター状の油の膜ができてしまいます。

口当たりのよいカスタードタイプのココナッツプリンを作るには、冷やしてもココナッツの油が分離する事のないように乳化剤が添加されたタイプで作るのがよいでしょう。またココナッツミルクではなくココナッツクリームを使うと、より濃厚で食感も異なるプリンになります。

加熱する温度とや時間を変えると全く別物のココナッツプリンになります。たかがココナッツプリン、されどココナッツプリン。いろいろな種類のココナッツミルクやココナッツクリームを使って、お好みのココナッツプリンを探してみてください。

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上から チャオコーはよく知られたタイのココナッツミルクのブランド、添加物はクエン酸のみ/ チブジスのココナッツミルクは添加物なし/ カラ(インドネシア)のココナッツクリーム 加熱殺菌時間が短いUHT製法なので、ココナッツの風味がより豊か(安定剤添加)/同じくカラのココナッツミルク缶は通常の製法によるもの(安定剤添加)/マレーシア 老舗ブランドAYAMのココナッツクリーム

ココナッツプリンレシピ

できたては柔らかめでフルフル。油脂分多めのココナッツクリームで作ると、時間がたつに従ってチーズのようにねっとりとした舌触りになり、また味わいが変ります。魅惑のココナッツプリン、ぜひお試しください。

ココナッツプリン

【材料 プリン型8個分くらい】

  • ココナッツクリーム(またはココナッツミルク)の缶詰(※) 1缶(400g)
  • 砂糖(精製されていないもの)40g
  • 全卵 ×2
  • 卵黄 ×1(卵が小さければ2個入れても大丈夫)
  • キャラメル用の砂糖 大さじ3杯くらい

※ 乳化剤添加の方が滑らかな仕上がりになります

【作り方】

  1. プリン型にカラメルを流しておく。(作り方は普通のカスタードプリンと一緒です)
  2. ボールに材料を全部入れて、あまり泡立てないようにホイッパーでシャカシャカ混ぜる。
  3. 砂糖が溶けたら別のボールにざるで漉して、プリン型に流し入れる。
  4. 天板にペーパータオルをひいてからプリン型をのせ、ぬるま湯を天板の半分くらいまではってオーブンへ。
  5. 様子を見るためにプリンの真ん中に竹串を刺してみて、何にもついてこなければ出来上がり。
  6. 天板から出して粗熱がとれたら冷蔵庫へ。

● オーブンによって加熱時間はまちまちですが、140℃で45〜50分程度を目安にしてください。
● 蒸し器で蒸してもだいじょうぶですが、火を入れすぎるとスがはいるので注意して。

ヤシの木

沖縄のR58沿いにもヤシの木が植えられているけれど、食用にはならない種類みたい、残念です。また那覇の国際通りなんかで売っているココナッツジュースは、種の中に入っている透明のジュースなのでココナッツミルクとは別物です。間違ってこんな事にならないように。↓

ココナッツミルクの作り方はこんなかんじ↓

お母さんの作るココナッツオイル↓